Ron Herman Journal: DEMYLEE Interview
トラディショナルでシンプルなデザインながら、どこかモダンなエッセンスを感じさせるニットウェア。やさしく上質な肌触りと懐かしい温もり。時が経っても色あせることがなく、いつもクローゼットにある定番の一枚。それがデミー・リーさんがニューヨークから発信するニットブランド「DEMYLEE」(デミリー)の魅力です。今シーズン、ロンハーマン メンズとの初めてのコラボレーションを実現。デミーさんのニットデザイナーとしての思い、そしてニューヨークでのライフスタイルについて聞きしまた。
—DEMYLEE のコンセプトを教えていただけますか。
「DEMYLEE」は、シンプルでラグジュアリー、そして、いろんなシチュエーションで着られる服。そんな一着を好む人たちに向けたブランドです。時代を超えた洗練さと若々しさのバランスを保ち、クラシックでありながら現代的なニットウェアで、ファッション業界を開拓していきたいと考えています。
—なぜニットにフィーチャーしたのでしょうか。ニットの魅力とは。
ちょうど毎日手を取ってみたくなるタイムレスなアイテムをつくりたかったのです、それがセーターでした。セーターは何かとてもノスタルジック……。子どものころや両親を思い出させてくれます。そう、温かくて心地のいい思い出を。
—デミーさんはニット以外も手がけていますが、使用する素材にこだわりがあるように感じます。
私はいつもナチュラルなものを好みます。例えば別ラインのC&Sコレクションでは、高級コットンとして知られるピマコットンでも最上質なものとオーガニックコットンを使っています。クラシックな織物のシャツやドレスは、ほとんどはコットン100%。 私は自然が与えてくれるものに感謝しているんです。肌触りがもっともナチュラルですから。
—オーガニックという言葉が出ましたが、デザイナーとして環境問題についてどのようにお考えですか。
ファッション産業が、毎年過剰に生産して多くの在庫を抱えていることを知って、デザイナーの自分そしてチーム全員が責任を感じています。サステナビリティは、今の私たちと未来の世代のためにやりとげなければなりません。私たちは使用する素材や製造方法について、より慎重に考えるようになりました。できるだけクリーンなデザインプロセスを模索しているのです。これは社会全体が直面している問題であり、日々の生活の中での努力が必要だと感じています。
—デミーさんが服づくりをする上でもっとも大切にしていることは。また、創作のインスピレーションはどうやって得ているのでしょうか。
私が服をつくるとき、デザイナーとして考えなければならない要素がいくつかあります。 私のビジョン、一緒に働く人々とのパートナーシップ、そして、もっとも重要なのは着る人です。インスピレーションは、日々の生活の中にあります。 家族、友人、旅、映画、本、ニュース、出会った人々……。必ずしも目に見えるものではないこともありますね。 例えば、他者への好奇心とオープンマインドを持てば、私たちの生活に必要なエッセンスであるインスピレーションは必ず見つかります。 自分が感動することと共に、そして人に感動を与えることも大切にしています。
—2021年、新しく「DEMY BY DEMYLEE」をスタートさせました。「DEMYLEE」との違いを教えてください。
一見、若い人向けのように見えますが、時代を超えた洗練されたデザインで、より幅広い層のお客様にお求めいただけます。素材やスタイルにこだわりながらも、「DEMYLEE」に込められたエネルギーやスピリットをより自由に表現しているんです。「DEMY BY DEMYLEE」でまた違う世界観を生み出すことができてうれしいですね。
—ロンハーマンでは、2022年の秋冬も「DEMYLEE」を扱わせていただきますが、今シーズンのコンセプトは。ロンハーマン メンズとは初のコボレーションになりますね。
秋冬のコンセプトは、クラシックなメンズウェアのシェイプとディテールにリスペクトしながら再構築することでした。「DEMYLEE」のキーとなるスタイルは、常にメンズウェアのデザインからインスパイアされています。ですので、今シーズン、ロンハーマン メンズとコラボレーションすることは、とても自然でスムーズな流れでした。すべての男性のクローゼットにこのニットがあって楽しんでいただけたら、うれしいですね。クラシックでタイムレスなお気に入りの一枚になれば。
一つだけ挙げるのは難しいですが、あえて選ぶとすれば、“クリエイティブ・マインド”でしょう。 私はアーティストやデザイナーが社会と共有してきたクリエイティブな思考やマインドを大切にし、尊敬しています。私たちを進化させてくれるものですから。